2025-10-07

現代の電子製造において、精度、効率性、信頼性が成功の鍵となります。MLCC(積層セラミックコンデンサ)及び受動部品の生産工程において、導電性ペーストをチップに塗布する自動式端面電極塗布機は、極めて重要な役割を果たしています。これらの自動化装置を活用することで、品質の一貫性を確保すると同時に、大規模かつ高効率な量産体制を実現することができます。

受動部品生産における自動式端面電極塗布機の動作原理

自動式端面電極塗布機の設計目的は、MLCC、チップ抵抗、インダクタなどの受動部品の端面に対し、安定かつ精密に制御された方法で導電性ペーストを均一に塗布することにあります。

製品は薄型キャリアプレート(Thin Carrier Plate、略称 TCP)上に配置され、精密な制御システムによって塗布ヘッドへ搬送され、端面電極の塗布処理が行われます。

自動式端面電極塗布工程の主なステップ

  1. 位置合わせと搬送
    製品は薄型キャリアプレート(TCP)上で高精度に位置決めされ、各塗布サイクルにおいて端面位置を正確に一致させることで、再現性と安定性を確保します。
  2. 端面塗布と引き上げ
    塗布深さおよび引き上げ速度を精密に制御することで、ペースト厚みの均一性を維持し、製品の信頼性を向上させます。
  3. 真空脱泡機能
    塗布前後でバブルを除去し、塗布膜内の欠陥発生を防止します。
  4. 乾燥工程
    塗布後のチップは乾燥プロセスを経てペーストを硬化させ、後工程の安定性を確保します。

このような一連のプロセス制御により、工程ばらつきを最小限に抑え、信頼性および製品品質を大幅に向上させることができます。

手動による端面塗布と比較して、自動式端面電極塗布機は欠陥発生率を大幅に低減し、高効率かつ安定した量産を実現します。

Process Guide Reference: TCP端子電極塗布作業の工程フロー図(片端面‐打抜き式/挿入式)


生産能力の指標:速度だけではない真の競争力

生産管理者にとって、生産性の評価方法を正確に把握することは、端面電極塗布システムの性能を比較・評価するうえで極めて重要です。

受動部品の製造において、生産能力は一般的に「1時間当たりのチップ数(個/時間)」を単位として評価され、生産量、歩留まり、および全体プロセスの効率を総合的に考慮する必要があります。

生産能力の計算式:

生産能力 = (1時間当たりのチップ数 ÷ サイクルタイム ÷ 二回(両側/両端面))× 歩留まり

 

  • 1時間当たりのチップ数:チップサイズおよびTCPの穴数により決定されます。
  • サイクルタイム:塗布パラメータに依存します。
  • 歩留まり:欠陥のない製品の割合。

例:
仮にTCP 1枚に0402 inch(1005mm)のチップを18,128個搭載でき、サイクルタイムが40秒、歩留まりが99%の場合、次のようになります。

18,128 ÷ (40 × 2) × 60 × 60 × 0.99 = 807,602個/時間

 

この結果から、生産性の鍵は生産能力と品質のバランスにあることがわかります。

サイクルタイム、端面塗布の均一性、歩留まりを最適化することで、設備の総合設備効率(OEE)を最大限に高めることができます。

参考機種



自動式端面電極塗布機の主なメリット

  • 品質の安定性:端面の均一性を確保し、欠陥を低減することで、製品の信頼性を向上させます。
  • 高い生産能力:サイクルタイムを最適化し、大規模かつ連続的な生産に対応します。
  • 高い運用効率:自動化システムにより人手への依存を減らし、操作ミスを最小限に抑えます。
  • 優れた拡張性:生産能力の拡大に柔軟に対応しながら、品質の一貫性を維持します。

事例: 龍進自動機械株式会社

複数のMLCC、チップ抵抗、インダクタメーカーが、龍進自動機械株式会社製のTCP自動式端面電極塗布システムを採用し、生産能力と歩留まりを向上させることに成功しています。

自動化された端面電極塗布装置の導入は、生産計画の最適化や運用コストの削減に貢献するだけでなく、生産プロセスの安定性を確保し、グローバル市場の需要に柔軟に対応することを可能にします。

結論

自動式端面電極塗布機は、受動部品製造における電極塗布工程の中核を担う重要な設備です。

精密なプロセス制御と明確な生産性指標により、メーカーは生産能力・品質・コストの最適なバランスを実現し、長期的な競争力を強化することができます。

龍進自動機械株式会社の自動式端面電極塗布ソリューションについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひお問い合わせください。受動部品製造における生産効率と安定性の向上に向け、最適なご提案をいたします。